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付岡 正 経歴・論文


付岡 正(つけおか ただし)

【役職名】
第一整形外科部長 兼 第一リウマチ科部長

【専門領域】
  • 人工膝関節置換術、人工股関節置換術、関節リウマチ
【所属学会資格等】
  • 日本整形外科学会専門医
  • 日本リウマチ学会専門医 評議員
  • 日本人工関節学会評議員
  • 日本股関節学会、日本関節病学会

略歴

平成6年金沢大学卒業
同年 千葉大学整形外科入局

以降、初期研修として、川鉄千葉病院、国立がんセンター東病院(麻酔・整形)、君津中央病院、千葉県こども病院、千葉県救急医療センター、千葉県千葉リハビリテーションセンターを経て
  • 平成12年:千葉大学大学院入学(平成16年卒 医学博士取得)
  • 平成15年:塩谷総合病院(栃木県矢板市)
  • 平成18年:金沢病院(横浜市金沢区)
  • 平成21年~:千葉県千葉リハビリテーションセンター
  • 現在に至る

受賞歴

第55回日本リウマチ学会総会・学術集会ワークショップ賞

著書(分担執筆)

「人工膝関節置換術」 日本人工関節学会 (編集) 
「8.基本手術手技 3)手術器具の適切な使い方」p.246-251

研究

3Dプリンターによる手術支援
実際の手術に役立つ研究を行っています。
現在は市販の3Dプリンターを用いてより正確な骨切りを行う独自の方法の研究を行っています。この方法は術前CTから作成した患者さんの骨、皮膚の模型をもとにガイド作り、正確な位置に人工関節を設置できるようにするものです。

大学の研究者でも掲載が難しい有名雑誌に数多く掲載

英語論文内容解説

研究はやりっぱなしでは意味がありません。研究の成果は世界のドクターと共有できるとよいと考え、人工関節分野の有名雑誌に掲載することを目指しています。しかし、掲載料のかからない有名雑誌は掲載を目指す人が多く、掲載すること自体が難しいです。
以下に私がリハセンター赴任した2009年以降に執筆した18編と指導した2編の英語論文の内容を記載いたします。
論文内容は手術手技で疑問に思ったことなど、臨床に直結する内容を主なテーマとしています。

20.

題名 Postoperative Femoral Component Rotation Using Posterior Condylar Referencing Is Difficult to Predict Preoperatively in Total Knee Arthroplasty
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y
雑誌 Knee. 2023 March;41:380-388
イギリス膝外科学会の公式雑誌 (2021 impact factor 2.423)

【論文趣旨】大腿骨componentの回旋設置に対する現在の設置ガイドの精度検証と必要な工夫についての論文。軟骨の摩耗程度や設置時のエラーにより回旋が変化するため、複数の指標を使用して総合的に判断する必要がある。

19.

題名 False malalignment after Computer Navigated Total Knee Arthroplasty
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y
雑誌 Knee. 2021 Jun;30:100-105.
イギリス、オーストラリア、ドイツの膝外科学会の公式雑誌
(2021 impact factor 2.423)

【論文趣旨】
コンピューターナビゲーションを使って行った人工膝関節でも術後レントゲンで3度以上の設置誤差を認めるものがある。しかし、実はレントゲン撮影時の姿勢による影響で設置誤差があるように見えただけのものが多く含まれていることが分かりました。正確な術後の設置評価には三次元CTが望ましい。

18.

題名 Intra- and interobserver reliability and agreement in three-dimensional computed tomography measurements of component positions after total knee arthroplasty
著者 Yoshino K, Hagiwara S, Nakamura J, Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Ohtori S.
雑誌 Knee. 2019 Oct;26(5):1102-1110.
イギリス、オーストラリア、ドイツの膝外科学会の公式雑誌
(2021 impact factor 2.423)

【論文趣旨】
当センターで使っている術後評価ソフトの精度評価(別の人が測定した場合の一致率など)を1年間千葉リハビリテーションセンターに勤務された吉野先生に検討してもらい、当センター在職中に学会で発表してもらいました。吉野先生は大学に戻られてから英語論文を完成させました。大腿骨の側面以外は非常に高い一致率を示しました。

17.

題名 Preoperative planned distance between the skin surface and the guide rod provides accurate posterior tibial slope in total knee arthroplasty
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Yoshino K.
雑誌 Arch Orthop Trauma Surg. (2019)
Aug;139(8):1133-1139
1903年創刊のドイツの雑誌(2021impact factor 2.928)
以下のリンクより論文全文が表示できます(ダウンロード、印刷は不可)

<論文趣旨>
術前3D計画ソフトを使って皮膚と骨切りガイドとの間の距離を術前に計測しておき、術中にその距離を合わせる手技はポータブルナビゲーションと比較して同等以上であり、特に側面での精度はナビゲーションより有意に高かった。

題名 An Accelerometer-based Navigation Did not Improve the Femoral Component Positioning as Compared to A Modified Conventional Technique of Preoperatively Planned Placement of Intramedullary Rod in Total Knee Arthroplasty
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Yoshino K.
雑誌 Arch Orthop Trauma Surg. (2019)
Apr;139(4):561-567. doi: 10.1007/s00402-019-03147-1. Epub 2019 Feb 13.
1903年創刊のドイツの雑誌(2021 impact factor 2.928)
以下のリンクより論文全文が表示できます(ダウンロード、印刷は不可)

<論文趣旨>
術前3D計画ソフトを活用した当センターで開発した大腿骨骨切り手技はポータブルナビゲーションと比較して同等以上であり、特に側面での精度はナビゲーションより高かった。


15.

題名 Residual Medial Tightness in Extension is Corrected Spontaneously after Total Knee Arthroplasty in Varus Knees
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y
雑誌 Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc (2019).
Mar;27(3):692-697. doi: 10.1007/s00167-018-4967-6. Epub 2018 May 4.
ヨーロッパのスポーツ外傷、膝外科、関節鏡学会(ESSKA)の機関誌(2021 impact factor 4.114)
以下のリンクより論文全文が表示できます(ダウンロード、印刷は不可)

<論文趣旨>
O脚の人工膝関節において、術中に矯正しきれなかった内側の靭帯の硬さは術後に自然に矯正される(緩む)。また、外側の靭帯が緩い場合、術後に適度な硬さに自然矯正される症例が複数あった。術者はこのことを念頭に置いて術中の靭帯の調整をすべきである。

14.

題名 Revision total hip arthroplasty using a cementless cup supporter and iliac autograft: A minimum of 15-year follow up
著者 Yoshino K, Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Lee TH. Nakamura J, Suzuki M, Ohtori S
雑誌 J Arthroplasty. 2017 Nov;32(11):3495-3501.doi: 10.1016/j.arth.2017.06.026. Epub 2017 Jun 20.
人工関節のトップジャーナル(2021 impact factor 4.435)

<論文趣旨>
当センターの故村田元センター長が開発されたMurata-Chiba support(MCサポート)という人工股関節再置換術用の骨盤側の再建補助器具を用いて行った人工股関節再置換術の長期成績を1年間千葉リハビリテーションセンターに勤務された吉野先生にまとめてもらいました。15年でのMCサポートを使った骨盤側の生存率(手術のやり直しやレントゲンで緩んでしまったものを除いた割合)は90%と素晴らしい成績でした。

13.

題名 The rectangular flexion gap is associated with an increased knee flexion angle in a cruciate-sacrificing rotating platform mobile-bearing total knee arthroplasty
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Yoshino K.
雑誌 J Orthop Sci. 2017 Mar;22(2):313-317. doi: 10.1016/j.jos.2016.12.007. Epub 2016 Dec 23.
日本整形外科学会英文誌(2021 impact factor 1.805)

<論文趣旨>
膝を曲げた時の内側と外側の緩さがほぼ等しい時にプラスチックが回るタイプの人工膝関節は術後に膝が良く曲がる傾向にあった。
題名 Case-Related Factors Affecting Cutting Errors of the Proximal Tibia in Total Knee Arthroplasty Assessed by Computer Navigation
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Yoshino K, Suzuki M.
雑誌 Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc.2018 May;26(5):1493-1499. doi: 10.1007/s00167-016-4397-2. Epub 2016 Dec 22.
ヨーロッパのスポーツ外傷、膝外科、関節鏡学会(ESSKA)の機関誌(2021 impact factor 4.114)
以下のリンクより論文全文が表示できます(ダウンロード、印刷は不可)

<論文趣旨>
すねの骨を切るとき、骨を切るガイド通りにいかない要因として手術前にO脚が強いことと男性患者さんであることがあげられる。このような患者さんの場合には骨を切る操作は複数回行って誤差を減らすべきである。

11.

題名 Varus and Valgus Stress Tests after Total Knee Arthroplasty with and without Anesthesia
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y
雑誌 Arch Orthop Trauma Surg. 2016 Mar;136(3):407-11
1903年創刊のドイツの雑誌(2021 impact factor 2.928)

<論文趣旨>
人工膝関節術後の内側と外側の緩みを測定する検査は麻酔により影響を受ける。緩みが大きい場合、麻酔なしで検査すると筋力が働いて緩みが小さく測定される。


10.

題名 The Distance from the Extramedullary Cutting Guide Rod to the Skin Surface as a Reference Guide for the Tibial Slope in Total Knee Arthroplsty
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y
雑誌 Knee. 2016 Mar;23(2):314-7
イギリス、オーストラリア、ドイツの膝外科学会の公式雑誌(2021 impact factor 2.423)

<論文趣旨>
下腿骨を切る位置から20cm遠位(足側)の皮膚と髄外ガイドの距離を骨切りブロックの幅だけとるとほとんどの例で横から見た骨の軸と平行になる(3度以内が99%、2度以内が95%)。
人工膝関節手術において皮膚とガイドロッドの距離は有用な指標の一つとなる。


9.

題名 A Useful Anatomical Reference Guide for Stem Anteversion during Total Hip Arthroplasty in the  Dysplastic Hip.
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Lee TH.
雑誌 J Arthroplasty. 2015 Aug 31;30(8):1393-6.
人工関節のトップジャーナル(2021 impact factor 4.435)

<論文趣旨>
変形の強い股関節の人工股関節置換術においてT線(手術中に直接確認できる指標)は人工関節の良好な設置に役立つ指標である。この線に平行に人工関節を入れると術前に近い向きに人工関節が入り、脱臼予防に役立つ。

青い線がT線
(新しい指標を提唱しました)

題名 Accuracy of the second metatarsal as a landmark for the extramedullary tibial cutting guide in total knee arthroplasty.
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Lee TH.
雑誌 Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2014 Dec;22(12):2969-74.
ヨーロッパのスポーツ外傷、膝外科、関節鏡学会(ESSKA)の機関誌(2021 impact factor 4.114)

<論文趣旨>
人工膝関節置換術では足の人差し指が「すね」の骨の骨切りの指標として有名で、人工関節メーカーの手術手技書にも記載されている。しかし、実際には足の人差し指を指標として骨切りを行うと患者さんによっては目標とする骨切り角度から大きくずれる危険があり、足の人差し指だけを指標として用いることは危険である。


7.

題名 The T-line as an intraoperative landmark for reproducing the native femoral anteversion during hip arthroplasty.
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Lee TH.
雑誌 Arch Orthop Trauma Surg. 2014 Jun;134(6):873-9
1903年創刊のドイツの雑誌(2021 impact factor 2.928)
<論文趣旨>
変形の少ない股関節の人工股関節置換術においてT線(右図参照)は人工関節の良好な設置に役立つ指標である。この線に平行に人工関節を入れると術前に近い向きに人工関節が入り、脱臼予防に役立つ。この指標はお年寄りに多い股関節の骨折の手術である人工骨頭に活用できる。


6.

題名 The effect of the posterior slope of the tibial plateau osteotomy with a rotational error on tibial component malalignment in total knee replacement.
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Lee TH.
雑誌 Bone Joint J. 2013 Sep;95-B(9):1201-3.
整形外科の有名総合雑誌JBJS Br の名前が変わってBone Joint J (2021 impact factor 5.385) となりました。
注目度の高い雑誌。

<論文趣旨>
人工膝関節置換術で「すね」の骨の骨切りでは前後の向きに傾斜をつける場合がある。人工関節を設置する段階で前後の真正面の向きから回転(回旋)して設置すると人工関節正面から見た場合、人工関節の設置軸が「すね」の骨の軸からずれてしまう。人工関節を設置するときは前後の向きに傾斜をつける場合には細心の注意が必要である。


5.

題名 The effect of rotational fixation error of the tibial cutting guide and the distance between the guide and the bone on the tibial osteotomy in total knee arthroplasty.
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Lee TH.
雑誌 J Arthroplasty. 2013 Aug;28(7):1094-8.
人工関節のトップジャーナル(2021 impact factor 4.435)

<論文趣旨>
術中「すね」の骨の人工関節設置角度の確認は長い金属製の棒を使って確認するが、この棒が皮膚表面から離れれば離れるほど信頼性が落ちる。確認用の棒はなるべく皮膚に近づけて用いるべきである。


4.

題名 The effect of a sagittal cutting error of the distal femur on the flexion-extension gap difference in total knee arthroplasty.
著者 Tsukeoka T, Tsuneizumi Y, Lee TH.
雑誌 J Arthroplasty. 2013 Aug;28(7):1099-102.
人工関節のトップジャーナル(2021 impact factor 4.435)

<論文趣旨>
膝の人工関節の手術では、太ももの先端の骨切りのブレは太ももとすねの骨との間の距離の膝を伸ばした時と曲げた時の差に無視できない影響を与える。(人工膝関節では曲げ伸ばしの時のこの骨の間の距離を一定に保つことが重要といわれている。)太ももの先端の骨切りでは十分な注意が必要である。

題名 The tibial crest as a practical useful landmark in total knee arthroplasty.
著者 Tsukeoka T, Lee TH, Tsuneizumi Y, Suzuki M.
雑誌 Knee. 2014 Jan;21(1):283-9.
イギリス、オーストラリア、ドイツの膝外科学会の公式雑誌(2021 impact factor 2.423)

<論文趣旨>
ほとんどすべての症例で脛骨稜線(すねの骨の前方に触れる線上の骨の隆起部分)に平行に骨切りガイドを設置すれば、許容できる誤差の範囲に膝の人工関節は設置可能である。


2.

題名 Sagittal flexion of the femoral component affects flexion gap and sizing in total knee arthroplasty.
著者 Tsukeoka T, Lee TH.
雑誌 J Arthroplasty. 2012 Jun;27(6):1094-9.
人工関節のトップジャーナル(2021 impact factor 4.435)

<論文趣旨>
膝の人工関節では太ももの先端の骨切りのズレは人工関節の大きさや太ももとすねの骨の間の距離に影響を与える。


1.

題名 Results of revision total hip arthroplasty with Anatomic BR stem: 10-year minimum follow-up.
著者 Tsukeoka T, Lee TH, Tsuruoka H, Murata T, Suzuki M.
雑誌 Mod Rheumatol. 2011 Oct;21(5):482-7.
日本リウマチ学会の機関誌(2021 impact factor 2.862)

<論文趣旨>
千葉大学の鈴木教授にご指導いただいた論文です。当センターで最低10年以上経過を観察したAnatomic BRという人工股関節再置換術用人工関節の臨床成績の報告。