切断・関節リウマチ・股関節の痛み・膝関節の痛み
切断
切断について
切断は大きく、上肢切断・下肢切断に分類されます。上肢切断の患者さんは装飾用の義手を使用することが多く、外来で対応可能であることが一般的です。入院リハビリテーションを要する患者さんの大多数は下肢切断ですので、以下、それについて述べさせて頂きます。
機能の予後は切断の部位・断端の性状・切断の原因(外傷・阻血・感染など)・並存疾患の有無(糖尿病・心疾患など)などによって大きく異なり、一概に述べることは困難です。入院時診察に医師のほか、当センター補装具製作施設の義肢装具士が立ち会い、義足の形式・機能予後について大まかな話し合いを行います。また、採血・レントゲン・心電図などの検査も行い、並存疾患のコントロールに留意します。
機能の予後は切断の部位・断端の性状・切断の原因(外傷・阻血・感染など)・並存疾患の有無(糖尿病・心疾患など)などによって大きく異なり、一概に述べることは困難です。入院時診察に医師のほか、当センター補装具製作施設の義肢装具士が立ち会い、義足の形式・機能予後について大まかな話し合いを行います。また、採血・レントゲン・心電図などの検査も行い、並存疾患のコントロールに留意します。
義肢作製・リハビリテーション
切断後、最初に作る義足を仮義足と言います。断端皮膚の状態が良好であることを確認した上で採型を行い、完成までに約2週間程度かかることが普通です。理学療法・作業療法は入院翌日より開始し、仮義足完成までの間にも関節可動域訓練・筋力増強訓練・片足での歩行/ADL訓練などを行います。完成後は義足の着脱訓練・装着した上での歩行/ADL訓練などを行い、それに並行して義足パーツの調整を繰り返します。
義足歩行訓練を開始後、断端にソケットの圧迫による痛みや傷ができることがあります。ソケットの形状・形式の変更によって対応しますが、それによっても問題が解決しない場合には、断端の再形成術が必要になる場合があります。無いはずの足が痛む、いわゆる幻肢痛に対しては、各種の薬剤にて対応します。
義足歩行訓練を開始後、断端にソケットの圧迫による痛みや傷ができることがあります。ソケットの形状・形式の変更によって対応しますが、それによっても問題が解決しない場合には、断端の再形成術が必要になる場合があります。無いはずの足が痛む、いわゆる幻肢痛に対しては、各種の薬剤にて対応します。
退院時・退院後の支援
切断患者さんの当センターでの入院期間はおよそ3ヵ月程度です。原則として月に1回、患者さん・ご家族と面談を行い、リハビリテーションの進捗状況についてご説明・確認の上、退院予定日について話し合いの上、決定させて頂きます。段差解消・手すり設置などの家屋改修が必要と思われる患者さんに関しては、ご希望があれば、当センタースタッフによる家屋訪問を行わせて頂いております。また患者さんによっては、遠方外出用の車椅子が必要となる場合がありますので、その作製も合わせて行います。
退院後の医学的管理に関しては、原則として各在住地域の医療機関にお願いすることとなります。スムーズな移行が可能となるよう、連携を密に取って参ります。断端・義足の問題に関しては、引き続き、当センター外来・補装具製作施設にて対応を致します。断端は経過とともに徐々に縮小し、ソケットは緩くなってくるのが一般的です。仮義足作製からおよそ1年後に義足の再作製(本義足と言います)を行います。
退院後の医学的管理に関しては、原則として各在住地域の医療機関にお願いすることとなります。スムーズな移行が可能となるよう、連携を密に取って参ります。断端・義足の問題に関しては、引き続き、当センター外来・補装具製作施設にて対応を致します。断端は経過とともに徐々に縮小し、ソケットは緩くなってくるのが一般的です。仮義足作製からおよそ1年後に義足の再作製(本義足と言います)を行います。
切断後の各種問題に対するお問い合わせ
そのほか、切断後の問題でお困りのことがございましたら、総合相談部までお気軽にお電話下さい。
ご相談に応じさせて頂きます。
ご相談に応じさせて頂きます。
関節リウマチ
概念
からだのあちこちの関節に炎症が起こり、関節が腫(は)れて痛む病気です。進行すると関節の変形や機能障害(使えなくなること)が起こります。
疫学
人口の0.4~0.5%、30歳以上の人口の1%にあたる人がこの病気にかかるといわれています。どの年齢の人にも起こりますが、30歳代から50歳代で発病する人が多く認められます。また男性より女性に多く認められます(約3倍)。 15歳以下で発病するものに若年性関節リウマチがありますが、これは成人の関節リウマチとは症状も検査所見も異なるものです。
疫学
人口の0.4~0.5%、30歳以上の人口の1%にあたる人がこの病気にかかるといわれています。どの年齢の人にも起こりますが、30歳代から50歳代で発病する人が多く認められます。また男性より女性に多く認められます(約3倍)。 15歳以下で発病するものに若年性関節リウマチがありますが、これは成人の関節リウマチとは症状も検査所見も異なるものです。
病因
完全に病気の原因がわかっているわけではありませんが、患者さんの免疫系(細菌などから体を防御するシステム)に異常があることはよく知られています。このため遺伝子の何らかの異常か、感染した微生物(ウイルスや細菌)の影響か、あるいはこの両方の組み合わせによって起こるのではないかと考えられています。この免疫系が異常に活動する結果として、関節の毛細血管が増加し血管内から関節滑膜(かつまく)組織にリンパ球、マクロファージなどの白血球がでてきます。このリンパ球やマクロファージが産生するサイトカイン(TNFα、IL-6など)と呼ばれる物質の作用により関節内に炎症反応がひきおこされ、関節の内面を覆っている滑膜細胞の増殖が起こり、痛みや腫れを起こし、関節液が増加し、軟骨・骨の破壊が進んでいきます。
症状
関節リウマチで最も起こりやすい症状が、関節炎(痛みや腫れ)です。通常、この症状は複数の関節に生じます。たとえば手指の場合、指先から2番目(PIP関節)と付け根の部分(MCP関節)に腫れが生じることが多いとされています。
関節リウマチでは、ひざ(膝関節)やひじ、手首の関節や足の指など、あちこちの関節に症状が起きることが少なくありません。
症状は対称性にみられることが多いといわれています。
関節炎がつづくと、関節の中にある滑膜という組織が腫れ、やがて増えた滑膜が軟骨・骨を破壊します。
膝関節や股関節の関節炎の症状が進むと、歩行が困難になる場合もあります。
関節リウマチでは、ひざ(膝関節)やひじ、手首の関節や足の指など、あちこちの関節に症状が起きることが少なくありません。
症状は対称性にみられることが多いといわれています。
関節炎がつづくと、関節の中にある滑膜という組織が腫れ、やがて増えた滑膜が軟骨・骨を破壊します。
膝関節や股関節の関節炎の症状が進むと、歩行が困難になる場合もあります。
関節リウマチ新診断基準(ACR/EULAR2010)
腫脹又は圧痛関節数(0 –5点) | |
1個の中~大関節** | 0 |
2 –10個の中~大関節** | 1 |
1 –3個の小関節* | 2 |
4 –10個の小関節* | 3 |
11 関節以上(少なくとも1つは小関節*) | 5 |
血清学的検査(0 –3点) | |
RF も抗CCP抗体も陰性 | 0 |
RFか抗CCP抗体のいずれかが低値(3倍以内)の陽性 | 2 |
RFか抗CCP抗体のいずれかが高値(3倍超え)の陽性 | 3 |
滑膜炎の期間(0 –1点) | |
6週間未満 | 0 |
6週間以上 | 1 |
急性期反応(0 -1点) | |
CRP もESR も正常値 | 0 |
CRP かESRが異常値 | 1 |
スコアー6点以上ならばRAと分類される。
*小関節:右図の薄い○
**大関節:右図の太い○
***:DIP、1stCMC、1st MTP(下図参照)は除外
*小関節:右図の薄い○
**大関節:右図の太い○
***:DIP、1stCMC、1st MTP(下図参照)は除外
治療
関節リウマチの治療は、薬物療法、リハビリテーション、手術治療を組み合わせて行ないます。
薬物療法
かつて薬物療法は関節炎による痛みをやわらげるためのものが中心でしたが、現在では痛みをやわらげるだけでなく、関節破壊の進行を予防し、患者さんができるだけ健康な人に近い状態で日常生活を送れるようにするための治療法が中心になっています。多くの場合、発病初期の段階から抗リウマチ薬による寛解導入療法を行ないます。抗リウマチ薬は免疫の異常に対して働く薬剤で、最近では、より強力なサイトカイン阻害薬という種類の薬も使用されるようになっています。そのほか、痛みをやわらげることを目的に、症状に応じて、非ステロイド系消炎鎮痛剤やステロイドが使用されます。
手術療法
関節の破壊が進んだ場合、機能を回復させるために手術療法が行われます。ひざや股関節など体重がかかる関節では、人工関節置換手術(千葉リハ人工関節センター)などが行われることがあります。
理学療法(リハビリテーション)
関節リウマチのために思うように関節を動かせない状態が続くと、関節のまわりの筋肉や、腱などの機能が衰えてきて、薬物療法が上手くいっても関節が十分に動かせない症状が残ることがあります。
このような問題を克服するためにリハビリテーションが行われます。
また、自宅でできる「リウマチ体操」という方法も考案されています。
当センターではリウマチリハビリ入院で指導しております。
かといって無理に身体を動かすとかえって病状を悪化させることにもなりかねませんので、詳しくは医師や理学療法士、作業療法士などの医療スタッフに相談してください。
このような問題を克服するためにリハビリテーションが行われます。
また、自宅でできる「リウマチ体操」という方法も考案されています。
当センターではリウマチリハビリ入院で指導しております。
かといって無理に身体を動かすとかえって病状を悪化させることにもなりかねませんので、詳しくは医師や理学療法士、作業療法士などの医療スタッフに相談してください。
関節リウマチに関するお問い合わせ
そのほかお困りのことがございましたら、総合相談部までお気軽にお電話下さい。
ご相談に応じさせて頂きます。
ご相談に応じさせて頂きます。
股関節の痛み
股関節の痛みを引き起こす病気のほとんどが『変形性股関節症』です。
ここでは、100人中 1人から2人の患者さんがいる『変形性股関節症』についてのお話を中心にします。
ここでは、100人中 1人から2人の患者さんがいる『変形性股関節症』についてのお話を中心にします。
変形性股関節症の症状
- 歩く時の痛み
- 足の付け根の痛みや太ももの痛み
a. 原因の分からないもの(医学用語で一次性と言います)
40歳から50歳くらいで痛みが出る人が多いようです。
年齢による変化や股関節にかかる負担が原因と考えられます。
年齢による変化や股関節にかかる負担が原因と考えられます。
b. 原因のあるもの(医学用語で二次性と言います)
30歳から40歳で痛みを感じるようになる方が多いようです。
- 先天性股関節脱臼:赤ちゃんのときに股関節が外れていた場合や治療しても変形が残ってしまった場合
- その他の小児時の病気(ばい菌が入って股関節が化膿した場合や骨の一部が変形するような病気)による変形が原因
変形性股関節症の診断
医師は以下に挙げる様な病気と見分けて治療方針を決めます。
- 大腿骨頭壊死症
- 大腿骨軟骨下脆弱性骨折
- 急速破壊型股関節症
- 一過性大腿骨頭萎縮症
- 化膿性股関節炎
- 関節リウマチ
- 骨腫瘍
- 腰椎疾患(神経痛)
変形性股関節症の治療
1. 運動療法(筋肉を鍛える)
初期には痛みを少なく出来る可能性がありますが、あまり進行してしまうと効果が少なくなります。水中歩行が良いとされます。
2. ダイエット
体重を落とせば股関節にかかる負担が少なくなります。
3. 痛み止め
痛みを和らげる効果があります。
4. サプリメント(グルコサミン、コンドロイチンなど)
痛みを少なくするなどの効果がある可能性はありますが、一定の見解は出ていません。
5. 手術
- 骨切り術(若年層に考慮されます):変形の進行を予防する手術です。
- 人工関節手術:痛みがほとんど無くなります。
詳しくは、人工関節センターでご紹介しています。
股関節の痛みに関するお問い合わせ
そのほか、股関節の痛みに関してお困りのことがございましたら、総合相談部までお気軽にお電話下さい。
ご相談に応じさせて頂きます。
ご相談に応じさせて頂きます。
膝関節の痛み
膝の痛い方の大部分は、『変形性膝関節症』です。ここでは『変形性膝関節症』についてお話します。
変形性膝関節症は、50歳以上の女性で74.6%、男性で53.5%という調査結果もあり、多くの方が抱えています。典型的には文字通り、O脚に変形することが多い病気です。稀に逆にX脚に変形します。
変形性膝関節症は、50歳以上の女性で74.6%、男性で53.5%という調査結果もあり、多くの方が抱えています。典型的には文字通り、O脚に変形することが多い病気です。稀に逆にX脚に変形します。
変形性膝関節症の原因
まだはっきりしません。
怪我などで骨に変形を生じると変形性膝関節症になることもあります。
怪我などで骨に変形を生じると変形性膝関節症になることもあります。
変形性膝関節症の診断
医師は以下の様な病気と見分けて治療の方法を決めます。
- 半月板損傷
- 関節リウマチ
- 化膿性膝関節炎
- 偽痛風
- 骨腫瘍
変形性膝関節症の治療
1. 運動療法
太ももの筋肉を鍛えたり、膝に負担のかからないような少し時間が長めの運動が良いとされています。
2. ダイエット
体重を落とせば膝関節にかかる負担が少なくなります。
3. 痛み止め
痛みを和らげる効果があります。
4. サプリメント(グルコサミン、コンドロイチンなど)
膝に関してはこの薬を飲んでも飲まなくても痛みが和らぐという明確な事実はありません。
アメリカの整形外科の団体は処方をしないようにと言う意見を出しています。日本では個人購入です。
アメリカの整形外科の団体は処方をしないようにと言う意見を出しています。日本では個人購入です。
5. 関節注射
ヒアルロン酸の注射が一般的に病院で行われています。5回行い、効果があれば2週から4週ごとに追加します。
痛みが激しい場合などはステロイドの注射も有効です。ただし、ステロイド゙は頻繁には行えません。
痛みが激しい場合などはステロイドの注射も有効です。ただし、ステロイド゙は頻繁には行えません。
6. 手術
人工関節手術を行うことが主流です。足が真っ直ぐになり、痛みもほとんど無くなります。
当センターではコンピューターを使用し最小侵襲(MIS)で手術を行っています。
詳しくは人工関節センターでご紹介しています。
当センターではコンピューターを使用し最小侵襲(MIS)で手術を行っています。
詳しくは人工関節センターでご紹介しています。
お問い合わせ
切断後の各種問題・関節リウマチ・股関節の痛み・膝関節の痛みに関するお問い合わせは下記をご確認ください。
センターの利用を希望されるみなさまへ
当センターに入院リハビリテーションを希望の患者さん・ご家族はまず、急性期病院の主治医に、所定の診療情報提供書の記入・ファックス送付を依頼していただく必要があります。
当センターにて診療情報提供書を検討のうえ、入院の適否の判断をさせていただきますが、場合によっては、外来受診をお願いする場合もあります。
当センターにて診療情報提供書を検討のうえ、入院の適否の判断をさせていただきますが、場合によっては、外来受診をお願いする場合もあります。
お問い合わせ先
【お電話・FAXでのお問い合わせ】
電話:043-291-1831 (内線226)
担当:総合相談部
【メールでのお問い合わせ】
メールでのお問い合わせは、「お問い合わせフォーム」に、必要事項をご記入のうえ、お送りください。
電話:043-291-1831 (内線226)
担当:総合相談部
【メールでのお問い合わせ】
メールでのお問い合わせは、「お問い合わせフォーム」に、必要事項をご記入のうえ、お送りください。