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痙縮に対するITB療法について


痙縮に対するITB療法のご説明について紹介します。

痙縮とは

痙縮は脳卒中、脊髄損傷、神経疾患によって生じる運動機能障害のひとつで、筋肉が緊張しすぎて手や足の動きが硬くなったり、勝手に動いてしまう状態のことです。わずかな刺激で筋肉に異常な力がはいり、動きにくいだけでなく、眠れないことや痛みの原因になります。日常生活動作(ADL)のみならず、生活の質(QOL)の低下の原因となります。

ITB療法とは

この痙縮を改善する治療の一つとしてITB療法があります。バクロフェンは中枢性筋弛緩剤の第一選択で、痙縮のある患者に対して経口内服薬による治療がよく行われていますが、不必要な化学物質が中枢神経に届かないように脳の血管が特殊な構造をしており、バクロフェンが通過しにくいため、経口薬では高濃度での治療を行うことができません。そこで体内にポンプを植え込み細い管(カテーテル)を髄腔に留置してポンプからバクロフェンを投与し続けるのがITB療法です。ポンプには2,3ヵ月分の薬剤が入り、注射で薬剤を補充します。また、ポンプにはコンピューターが内蔵されており、コントローラーからの情報を無線で受けて投与方法を自由に調整可能です。

導入の流れ

ITB療法を行うには、医師の診察の後、単回投与での効果の確認をします(トライアル)。単回投与により効果が確認され、患者さんも治療を希望した場合にはポンプ植え込みの手術を行います。その後は2、3ヵ月に1度来院し、投与する薬剤の再注入(リフィル)を行います。

痙縮に対するITB療法についてご相談のある方は、総合相談部に相談の上でリハビリテーション科医師の外来を受診して下さい。医師による診察と説明を受け、治療の適応があると判断した場合には、ITB導入に向けた準備を開始します。